2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

八月六日

僕は自分を見失ってしまった。いつから? 答えは見つからないだろう。すべての問題はいま見失っていることの中にある。(2012.08.06)

七月三十日

「ことごとにたてつくような態度は弱い態度だ。敵に正面を見せて、本当に魅力的なものには背中しか向けないからだ。君は君自身のことに心を傾ければいい、わたしも自分のことだけに専念しよう」H・D・ソロー (2012.07.30)

『ザ・勝負』清水義範

文章は読みやすく、知識もついて、そこそこに面白い。気軽に読むのにもってこいの作品。清水義範の本は前にも別のを読んだが、この作者のユーモアのセンスには多少の古くささを感じてしまう。(2012.07.29)

七月二十六日

後悔したくなることを積み重ねながら生きてる。その結果少しは賢くなったのか、なってないのか。自分を幸せだといえない理由はいろいろある。でも、今午後の日差しで温もったこの部屋に存在しているというだけで感じられるこの幸福が僕には痛いくらいだ。(20…

七月二十一日

ささいなことでもいいから何かを生み出す作業を続けていくこと。(2012.07.21)

『森と山からのメッセージ C・W・ニコルの自然記』C・W・ニコル

読み始めてから三分の一ほどまでは、本を手に取ったとき期待したほど面白くなかったな、と思いながら読んでいたが、なおも読んでいるとだんだん面白くなってきて結果的にはそれなりに楽しめた。 著者の自然観や自然との関わり、また自然と身近に暮らす中で使…

七月十七日

暗い廊下の側壁にぼんやりとした光がドアのガラスを通って貼り付いている。輪郭のあやふやな腕の影が光の中に長く伸びる。君にさよならをいうべきじゃなかったと僕は思う。部屋は静かすぎる。暴力さえ眠ってしまったかのように。 風に揺られて木々の葉がこす…

七月十二日

僕は愚かだし汚いし醜い。もっともっと本当にこのことを自覚できるようじゃなきゃならない。(2012.07.12)

『THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代』村上春樹

おしゃれというんだろうか。都会的な雰囲気をまとった文体がなんとも心地良い。村上春樹の小説は『風の歌を聴け』と『海辺のカフカ』くらいしか読んでいないが、小説のほうは文体は好きでも、物語がちょっと合わない。それに比べて、このエッセイは素直に楽…

『デイヴ・バリーの日本を笑う』デイヴ・バリー

笑える本である。アメリカのユーモアコラムニストが三週間滞在した日本のことを面白おかしく書いた本。お笑い本という性質上、ふざけたり大げさだったりはするのだけれど、著者の観察眼にはさすがに物書きだなーと思わせられる。(2012.07.07)

映画『悲しみは女だけに・・・』

映画を見た、という気持になった。でも、舞台を見た、に近いのかもしれないし、文学を味わったというのに似ているかもしれない。ともあれ、オニールの『夜への長い旅路』が好きな僕の好みの映画だった。 尾道で売春宿を営んでいるマサオ夫妻の家にアメリカか…

『4人のちびっこ、世界をまわる』エドワード・リア

ありきたりな感動や美しさから離れた、愉快で魅力的な物語。 ちびっこたちはお腹いっぱい食べ、青い瓶の中に住むハエたちと心を通わせ、意地悪な子をやっつける。辿りつく先は不思議な場所ばかり。欲望も、思いやりも、残酷さも、美しさも、みな常識以前の姿…

『こぶたのポインセチア』フェリシア・ボンド

みんながいると狭く感じるのに一人だと広すぎるもの――。 こぶたのポインセチアは両親と六人の兄弟姉妹と住んでいる。大好きな本をゆっくり読んでいられないポインセチアは腹を立てて・・・。 一人きりになることに成功したポインセチア。最初はお気に入りの…

六月三十日

年齢を考えれば僕ももういい大人だ。鏡に映る自分はもう少年ではない。だが僕の内面はいまだに子どものままだ。中学生以来ほとんど一人で過ごしてきたため、年相応の付き合いもしてこなかった。僕という人間は非常に偏っている。(2012.06.30)

『親子でとりくむ読書感想文 誰でも書ける楽しく書ける』村上淳子

これで読書感想文の本も四冊目くらいか。さすがにもう目新しいことはほとんどない。「子どもたちの力を引き出していくのが、われわれ大人たちの大事な仕事」と考える著者が実際に開いている「親子で取り組む読書感想文の書き方講座」を下敷きにして、講座形…

『新聞の読み方上達法』熊田亘

続けて新聞の読み方本。こちらも一冊前の本と同じく高校生の年代向けに書かれている。前の本が新聞についてのエッセイ的な面が強かったのに対して、こちらは新聞についての入門書・基本書といった感じ。新聞にはどんな記事が載っているか、報道記事を読むと…

『新聞の読み方』岸本重陳

新聞の楽しみ方についてたくさん学ぶことがあった。 著者は「イフ・アイ・ワー」を心に刻んで読むということを書いている。つまり、自分なら・・・と考えてみること。新聞記事の感想文の書き方のヒントから著者自身による記事の読み解き実例まで、新聞を読ん…

映画『家の鍵』

見ていた時も見終わった今も何か胸のあたりにつっかえるものがある。映画が見せてくれているもの。自分の頭で想像していることと、現実との間にあるだろう距離。あの二人はこの後どうなっていくんだろうと思う。映像の質感が好きだった。(2012.06.26)

映画『サン・ジャックへの道』

母の遺産を相続するためにそれぞれ別の生活をし、仲もよくない兄妹弟が巡礼ツアーに参加するのが物語の始まり。映画はその三人を含めたツアー参加者とツアーガイドの道中を描いている。最初バラバラだったツアー一行も最後にはバラバラではなくなっている。…

六月二十五日

どんなふうに生きたいか、つまりどんなふうに頭や体を使いたいかということを基準に考えていけば、生活のスタイルというのも自然と決まってくるように思う。(2012.06.25)

映画『八日目の蝉』

なんかじめっとした映画だった。描き方もじめじめしていた。映像に美しさを感じなかった。最初の方、永作博美が電車に乗っていて、電車がトンネルか何かを抜けたらしくパアッと光が永作博美を(車内を)白く照らす。あのシーンは良いと思った。(2012.06.22)

『三行が斬る!』山口真一

読売新聞「USO放送」、朝日新聞「かたえくぼ」などの読者投稿による風刺コントを扱った本。 この本を読んだのは購読している新聞の風刺コント欄に以前より興味を持っていたから。著者は、父が三行コントの書き手としてある程度有名な方の息子。プロの作家…

六月二十日

批評精神には遊び心が必要だ。 大人の目とか子どもの目とかそんなのはなくて、あるのは「わたしの目」だけ。だから子どもの目になったつもりで物事を見てみるなんて馬鹿みたい。そんな想像の子どもの目なんてほんとの子どもの目ではない。それよりも自分の目…

『町にきたドラゴンたち』ジャネット・マクネイル

以前読んだ同じ作者の作品集『はじめてのおてつだい』も面白かったけど、この本はとてもすてきだ。不思議なことがごく当たり前のことのように書かれているところがいいなあ。僕も物語を書くことがあるけれど似たような作風だと思う。「町にきたドラゴンたち…

『大型トラックに乗って』ジャン・マーク

新しくやってきたトラック運転手の父リチャードとは、エミーはまだ堅苦しい関係だが、リチャードの配達の仕事についていくことになる。トラックで過ごす時間を通じてエミーとリチャードの関係が変化していく。エミーの心の中にリチャードを受け入れる場所が…

映画『かもめ食堂』

出だしのモノローグがまず気持悪かった。そこで少し作品との距離が生まれたと思う。映像は綺麗なんだけどやっぱり気持悪さを感じるのである。なんていうかナルシスティックなのだ。(2012.06.18)

六月十六日

今日の昼食は失敗。卵を落とした味噌汁ともずく、それからパン屋で買ってきたパンを食べたのだけれど・・・ まず最初が、側面をチョコで覆った胡桃入りの焼き菓子。ずっしり重い。半分に切ってから食べようか迷ったけど、いきなりかぶりつくことにした。甘い…

六月十五日

嫉妬したり、劣等感を抱いたり、見栄を張ったり、よくないと思われていることだしそういう気持を追い出そうとしたりもするのだけれど・・・。考え方を変えてみたらどうだろう? そういう気持になったりするのも心の大切な作用なんだって。それら一つ一つを避…

『レムラインさんの超能力』ティルデ・ミヒェルス

交通事故をきっかけに壁を通り抜けることができるようになったレムラインさん。そのレムラインさんのところに赤ちゃんがやってきて・・・。 出だしを読み始めたときは、実直な帳簿係のレムラインさんが超能力を身につけたことで体験する出来事を楽しく描いた…

『実例作文がいっぱい! 小学校5・6年生の読書感想文』立原えりか監修

僕は読書感想文が苦手だ。最後に読書感想文を書いたのは高校三年生の時だったが、夏休みの宿題の提出に間に合わず、先生に促されてようやく書き終えた時、季節は冬だった。とにかく、どう書けばいいのかがさっぱり分からなかった。この本のあとがきの中で立…