2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年3月29日

植物や動物が美しいのは、彼らが自然の働きをそのまま現しているからだろう。彼らのありようから、はからいはほとんど感じられない。それに対して、僕たち人間ははからいの生き物である。これは、人間という弱い生き物が生き延びていくために必要なことだっ…

2020年3月28日

今日は寝起き、体が重かった。起き上がろうとしても起き上がれない。手足に鎖が繋がれ、鎖の先には疲労が繋がれていた。重い体を寝床から引き剥がし、目覚ましに風呂に入った。体の重さに引きずられ、気分も重かった。過去の恥ずべき行いが記憶の底から僕の…

夜の臓器

もう夜に近づいてきた闇の中を歩いている。介護施設の階段の踊り場の窓が2階、3階、4階と三つ縦に並んで煌々と輝いている。夜はもう呼吸を始めている。夜の生温い臓器。町は消化され、掻き消されていく。

2020年3月21日

言葉にすることの難しさ。言葉にした途端に薄っぺらくなる。それは、そもそも僕の意見が薄っぺらいから? それとも、伝える技術の拙さ(思いと語る言葉とのズレ)のせい? 喋った後で、自分の感じていることと表に出た言葉とのズレに戸惑う。伝えたかったこと…

2020年3月20日

何を見ても心動かされないのは、歳を取ったせい? それとも僕自身のせい? 時間の密度がどんどん薄くなっていく。 誰かのことを可哀想だと思うなら、可哀想なのは僕自身だ。誰かに向けた批判は、そのまま自分に突き刺さっている。誰かに向けた思いは、そのま…

夜でない夜に

もうずっと昔に、お化けも幽霊も消えてしまった。物はみな、名前でしかなくなって、その奥の声を聞かせはしない。僕は安穏な眠りを眠る。皮膚を切っても血の出ない日常を、生から最も遠く離れて暮らしている。

心の空っぽな人はさいわいである

僕は散歩していた。歩いている僕の右側に川が流れていた。山並みが前方に横たわり、そこから空が広がる。水の流れも、樹木も、空も僕が生まれる以前からあり、僕がなくなったのちにもあるだろう。それどころか自然は人間が生まれる前からあり、人間が去って…

しごと

仕事帰り 言いようのない不安 疲労がどっと身体中に広がる 身体の末端まで疲労が行き渡る 俺の仕事ぶりはこれでいいんだろうか 俺にできることはなんなのだろう 俺にできることなんかあんのかな なんにもできてないなあと思う なんにもできないなあと思う 自…