『実例作文がいっぱい! 小学校5・6年生の読書感想文』立原えりか監修

 僕は読書感想文が苦手だ。最後に読書感想文を書いたのは高校三年生の時だったが、夏休みの宿題の提出に間に合わず、先生に促されてようやく書き終えた時、季節は冬だった。とにかく、どう書けばいいのかがさっぱり分からなかった。この本のあとがきの中で立原えりかさんが「自分にぴったりで、ドキドキワクワクする本を読めば、きっとだれかに読んだ本のことを話したくなります」と書いているけれど、僕の場合、ドキドキワクワクする本はあっても、そのことをどう伝えたらいいか分からず困っていた。あるいは、それを伝えたいと思える友人も恋人も年上の人などもいなかったのが問題だったのかもしれない・・・

 この本には、読書感想文で「何を」「どう」書けば書きやすいかを多くの例文とともに紹介している。小学生の頃にこの手の本に出会っていれば、もしかするとその後何年も毎年の読書感想文に悩まされることはなかったかもしれない。

 伝えたいという気持は大事だ。そして、どうすれば伝えられるか、その技術を知ることも同じくらい大事である。(2012.06.14)