2020-01-01から1年間の記事一覧

6月16日

神さまに、ありがとうと言うのは、難を避けるためではない。難をありがたいと思うことができるようになるためである。

5月20日

ありがたいとか、おかげだとか、ほんとはそんなことどうだってよくて、ただ生きていることの不思議を感じられればいい。 人間の生命の働きは宇宙の働きと等しい。 人間の生命の働きは自然の働きそのものである。 意識は生命の働きに比べればちっぽけなものだ…

5月18日

母は相変わらずあまり調子がよくない。新型コロナ流行以降、彼女は鬱の森に迷い込んでしまった。外出もほとんどできず、家の中で塞ぎ込んで過ごしていることが多い。家の中に病んだ者がいると、当然家の空気は悪くなる。家内の空気は重く澱んでいる。しかし…

5月10日の思い出

雨、雨の音。僕らは忘れるために生きる。茶色い大地に髭を生やした果実は太陽に裏切られたアリクイの夢。

朝 2020.04.11

目が覚めて、窓の外は曇天であるが、空は厚く雲に覆われていても、朝が来ればやはり明るいものだ。白い雲の奥には太陽があり、随分昔にそこから出発した光が、今こうして僕の住んでいる場所にまで届き、僕の部屋のカーテンに光を孕ませている。

2020年3月29日

植物や動物が美しいのは、彼らが自然の働きをそのまま現しているからだろう。彼らのありようから、はからいはほとんど感じられない。それに対して、僕たち人間ははからいの生き物である。これは、人間という弱い生き物が生き延びていくために必要なことだっ…

2020年3月28日

今日は寝起き、体が重かった。起き上がろうとしても起き上がれない。手足に鎖が繋がれ、鎖の先には疲労が繋がれていた。重い体を寝床から引き剥がし、目覚ましに風呂に入った。体の重さに引きずられ、気分も重かった。過去の恥ずべき行いが記憶の底から僕の…

夜の臓器

もう夜に近づいてきた闇の中を歩いている。介護施設の階段の踊り場の窓が2階、3階、4階と三つ縦に並んで煌々と輝いている。夜はもう呼吸を始めている。夜の生温い臓器。町は消化され、掻き消されていく。

2020年3月21日

言葉にすることの難しさ。言葉にした途端に薄っぺらくなる。それは、そもそも僕の意見が薄っぺらいから? それとも、伝える技術の拙さ(思いと語る言葉とのズレ)のせい? 喋った後で、自分の感じていることと表に出た言葉とのズレに戸惑う。伝えたかったこと…

2020年3月20日

何を見ても心動かされないのは、歳を取ったせい? それとも僕自身のせい? 時間の密度がどんどん薄くなっていく。 誰かのことを可哀想だと思うなら、可哀想なのは僕自身だ。誰かに向けた批判は、そのまま自分に突き刺さっている。誰かに向けた思いは、そのま…

夜でない夜に

もうずっと昔に、お化けも幽霊も消えてしまった。物はみな、名前でしかなくなって、その奥の声を聞かせはしない。僕は安穏な眠りを眠る。皮膚を切っても血の出ない日常を、生から最も遠く離れて暮らしている。

心の空っぽな人はさいわいである

僕は散歩していた。歩いている僕の右側に川が流れていた。山並みが前方に横たわり、そこから空が広がる。水の流れも、樹木も、空も僕が生まれる以前からあり、僕がなくなったのちにもあるだろう。それどころか自然は人間が生まれる前からあり、人間が去って…

しごと

仕事帰り 言いようのない不安 疲労がどっと身体中に広がる 身体の末端まで疲労が行き渡る 俺の仕事ぶりはこれでいいんだろうか 俺にできることはなんなのだろう 俺にできることなんかあんのかな なんにもできてないなあと思う なんにもできないなあと思う 自…

気持ち

下手なりに 人と関わりながら いろんな気持ちを 学ばせてもらっている 神さまがこれくらいは 知っておけよと そういうことかもしれない これくらいは 知ってから死ねよと

いのち

この淋しさを味わうために 生まれてきた この愚かさを味わうために 生まれてきた この醜さを味わうために 生まれてきた 俺 この醜くて愚かで淋しいいのち

愛も信頼も すべて失って あらゆる人から 見放され ただ あなただけが残されました そんな あなたのことを見失う 私です

さみしさは 俺の生 おろかさは 俺の生 みにくさは 俺の生 なさけなさは 俺の生

無口

貝のように 閉じた俺の口 無理やり開くと しょっぱい塩吐く 塩吐いて 反省し 前よりもっと 固い口

あんぐり魔羅

あんぐり開いた口の中 ぶちこむ魔羅 あんぐり魔羅 俺はお前より愚か

オネンブツ

ナムアミダブツ ナムアミダブツ 自らの煩悩の沼から ナムアミダブツ ナムアミダブツ 自らの弱さの内から ナムアミダブツ ナムアミダブツ

雨の音、聞こえて来る、夜の部屋。 窓の外、夜の画布、薄く白い線になって、雨たちのアクション・ペインティング。

パンケーキ日記

最近続けざまにパンケーキを食べたんです。ま、言っても4軒なんですけどね。で、今日はちょっとそのパンケーキの個人的なレビューをさせていただこうと思います。 珈琲館 トラディショナル・ホットケーキ まず最初は珈琲館のホットケーキ。パンケーキと言っ…

無明

自分に何かができるなんて思うのは思い上がりも甚だしい。俺はそんなできた人間ちゃう。 人からどう思われたいなんていうのは、すべて俺の欲から生まれる思い。欲から生まれる思いやから(たとえそれが叶ったとしても)苦しむことになる。 何事においてもさせ…

働くことについて(僕の人生ってなんなのだろう?)

もし、生活するのに困らない金があれば、僕は全然働かなかっただろう。あるいは、ベーシックインカムのような制度があれば、僕の人生はもっとずっと気楽なものになっていたんじゃないか。なぜなら、中学生になって周囲との人間関係につまずき、人付き合いが…

日々の疲れ

疲れているとあんまりいいことは考えない。そういう時には、普段押さえ込んでいる(押さえ込んでいない?)ネガティブな思いがなんの抑制もなく思考の前面に湧出してくる。それを改めて否定するのもバカらしくただ流れるがままに任せている。出るものは出して…

疲れ

35歳。まだまだ子どものような大人だけれど、十代の頃とは身体的にも精神的にも大きく変わった。それを寂しいと思うこともあるし、そんな寂しささえ今ではもう切実ではないと感じることもある。あの頃と変わらないのは、いまだに自分が何者か分からず、何が…

遊びの悲しみ

学習を終えた子どもたちは室内で遊んでいた。子どもたちは先生の飲みかけのペットボトルを隠して先生に探してもらった。先生は大げさなリアクションをしながらペットボトルを探した。先生は本来蜘蛛のように大人しい人間なので、子どもたちの前ではネズミく…

一日の終わり

神よ、今日俺が成したことはあんたの御心にかなっていたか? どうか俺の生があんたの御心にかなうものであるよう導いてくれ。俺の願望も欲望もズルさもあんたの光で焼き尽くしてくれ。俺をあんたの光で包み込んでくれ。俺はあんたで、あんたは俺だ。俺は俺の…

ETV特集「人知れず表現し続ける者たちⅢ」

いかにもな音楽、いかにもなテロップや演出。でも、それは表現している人たちとは何の関係もないこと。彼らの表現はいわゆる芸術の文脈とは違うところにある。けれどそれも、彼らとは関わりのない話。ところで、彼らは少しも特別じゃない。誰もが彼らと同じ…

男とか女とかじゃなく誰もが一人の人間として等しく尊ばれる社会に

男女平等を説く論者の中には、男に比べて女の方が素晴らしいんだ、というようなことを言う人が時々いる。現状の男女間の不平等、また歴史的な男女間差別のことを考えれば、あるいは主張するにあたっての戦略としては分からなくもないが、これはどうなのかな…