疲れ

35歳。まだまだ子どものような大人だけれど、十代の頃とは身体的にも精神的にも大きく変わった。それを寂しいと思うこともあるし、そんな寂しささえ今ではもう切実ではないと感じることもある。あの頃と変わらないのは、いまだに自分が何者か分からず、何が好きなのか、何をしたいのか、さえ分からないことだ。あの頃、必死で彷徨っていた自分は、今、ぼんやりと彷徨っている。あの頃には、まだ自分が何者かになれるかもしれないという期待があったが、今の自分にはもうそんな期待はない。職場でも自分よりずっと若くて優秀な後輩たちを前に、自分の無能さを感じる日々である。僕には何も熱いものがない。もとより人生の羅針盤などはなく、僕は大海原を無力に風の吹くままにどこに向かっていくかも知らず漂っているヨットのようなものだ。どこにたどり着くかも分からず、また、いつ転覆したっておかしくない。生きるってことは寂しいなぁ。その寂しさは十代の頃に感じていたものでもあるし、そこから生きてきて新たに付け加えられた寂しさもある。生物が生まれて死んでいく、そのことに一体どういう意味があるのか。結局のところ何も分からないまま生きて死んでいくんだろう。疲れに任せて眠ろう、今夜は。