5月18日

母は相変わらずあまり調子がよくない。新型コロナ流行以降、彼女は鬱の森に迷い込んでしまった。外出もほとんどできず、家の中で塞ぎ込んで過ごしていることが多い。家の中に病んだ者がいると、当然家の空気は悪くなる。家内の空気は重く澱んでいる。しかし、その母を責めることは僕の我がままだろう。しかも、その母をなんとか変えようとするのは事態をますます悪化させるだろう。それはちょうど、僕自身がひきこもっていたときに親が僕を心配し、僕をなんとかしようとしたけれど、僕のほうではますます頑なに閉じこもってしまったのと似ている。

もし全てが神の計らいであるなら、僕自身はこの事態にも感謝することを忘れてはならない。変えるべきは母ではなく、僕自身の心持ちである。神に感謝し、母に感謝し、母の苦しみに感謝し、自分自身の苦しみに感謝し、あらゆることに感謝し、僕自身の心を暗くしないことである。そして、母の苦しみをともに背負うことができたら? 仮にそこまでしても、事態はいっこうによくならないかもしれない。しかし、それはどうでもいいことだ。おかげとは、自分に都合よく事が運ぶことではない。それは常に人間の思いを超えたところに働いているのだから。