四月二十三日

 夕方、父の部屋に西日が差している。黄金色の光が白く透けたカーテンを通り越して部屋を照らしている。僕は思わず光の落ちた床に寝転ぶ。時間が止まってしまったみたいだ。金色の光を浴びて僕の肉体はなくなってしまった。

 

 この頃、体を動かすのが前より好きになった。といってもどこかへ出かけるとかそういうことじゃなく、日常の些事――掃除や皿洗いのような――のこと。そういったことに以前には感じることの少なかった楽しさを見出している。

(2012.04.23)