七月二十三日

 自分がますますダメになっている気がする。僕はどんどん何かを失っている気がする。

 久しぶりに深夜のベランダに出た。目が悪いせいで外灯や団地の明かりが光の粒の丸い花のように見える。オレンジや白や黄色、青の光の花びらが田舎町の静かな夜に散らばって浮かんでいる。

 自分を変えてしまうような深い感動が訪れないだろうか。書くことで、僕は自分が自分である場所を確保してきた。それとも、捨て去るべき自分に執着しているだけなのだろうか。(2011.07.23)