日常を見る目を変える力

 先日、つっても結構前だけど、奈良県立美術館で開かれていたブラティスラヴァ世界絵本原画展に行ってきました。これがなかなか良かった!

 みなさんは、普段絵本を読みますか? 

 僕は読みません。あまり興味もない。しかも、絵本って普通、絵と文で成り立っている。それを絵だけっていったら、ちょっと弱いんちゃうの? ちゃんと成り立つんかいなくらいに思っていました。だから正直そんなに期待はしていなかったのです。

 いやいやいや、甘かった。舐めてました。すごい! 絵の力は!

 グランプリのルトウィヒ・フォルベーダ『鳥たち』。繊細な線の美しさといったら。

 詩的なナルゲス・モハンマディ『私は一頭のシカでした』。

 優しいタッチで、しかも精密に描かれた荒井真紀『たんぽぽ』。

 見る者に哲学的な問いをぶつけてくるキム・ジミン『ハイドと私』。

 一軒の建物の中で営まれた生活を時代ごとに描いて面白いアンナ・デスニツカヤ『懐かしのロシアの家』。

 まだまだ面白い作品がたくさんありました。そして、それぞれの作品たちの表現の多様さといったら! 頭の中の普段使っていないところがビンビン刺激された。

 美術館を出た後、僕の目に映る世界はほんの少し違って見えました。

 

 日本人作家の作品も多数展示してありましたが、なかでも僕が特にガツンとやられたのは、今回初めて名前を知った作家こしだミカさんの絵。クセのある力強い線で描かれた絵はとても生命力豊か、なおかつユーモアがあります。僕はすっかりその絵のファンになりました。


ねぬ [ こしだミカ ]


でんきのビリビリ (そうえんしゃ日本のえほん) [ こしだミカ ]


ほなまた (わくわくたべものおはなしえほん) [ こしだミカ ]