四月十九日

 僕は怠惰な巡礼者だった。これからもそうに違いない。僕の道中は休息と寄り道の連続だ。そうであれば、死ぬまでに聖地を拝むことはかなわないかもしれない。

 けれど、寄り道の先々で僕は聖地の噂を耳にする。休息の眠りの中にまだ見ぬ聖地の幻を夢見ている。そうして心の内に描かれた聖地もまた本物に幾分かは似ているのではないだろうか。(2013.04.19)