かつて自分の生を呪ったように、

 あの頃の俺は生を呪っていた。俺は堕ちていくことを望んだ。堕ちていくことが自分にとっての生への真摯な向き合い方だった。俺は堕ちた。出口はなかった。

 それから何年も経って、俺はもう呪いに耐えられなくなっていた。もともと弱い俺はますます弱り、自分の思想を背負うことができなくなった。俺は体を折り曲げて泣いた。

 

 世界の美しさは、ついさっき台所で水を飲んだ俺の目の前の空っぽの油の瓶に現れていた。何の変哲もないその瓶の、何の目的もないその佇まいの中に。