正倉院展

 昨日は母と正倉院展へ出掛けた。外出らしい外出は久しぶり。電車に乗るのも。

 正倉院展は僕が思っていたよりもずっと人が多かった。途中でもう頭痛がひどかった。展示品は面白かったけれど。なんとかざんけつの蓮の茎のくねくねしたのは見ることができて良かった。金色の水差しーー水の出口に人の顔のキャップがついているーーはすらっとした形が印象に残った。

 獅子のお面もあった。元のものと復元と置いてあったけれど、復元されたものは綺麗に着色されてなんだか可愛い感じがあったのに対して、元のものは色がとれて木の色そのままでこちらは力強く迫ってくる感じがあった。受ける印象が全然違うので復元されたものはほんとに当時の雰囲気を表しているのかなと思ったりもしたけれど、考えてみればどちらがより当時のものに近いのか分からない。元のものも着色がとれてるわけだし。当初はどんなふうに塗られていたんだろう。それはそれとして、自分としては色の剥げた元のもののもつ力強さにより惹かれた。(2010.11.09)