京都その7

    俺の目の前をウォーキングの会の中高年が集団で歩いていた。みんな早足で、むっちゃ元気そう。むしろ俺より元気なんちゃう?  彼らがすたすたと歩いていくのを見ながら俺はのろのろと歩く。

    智積院はごつい。ここはかつて真言宗の学びの場だった場所。敷地が広大でいくつもの建物がある。参拝料を払うと、まず長谷川等伯の襖絵の展示された収蔵庫に案内された。等伯の襖絵は正直なところ思ったより心に響かなかった。いくつかあった中でいいなと思ったのは楓の図くらい。まあ、収蔵庫で見るのと、当時部屋の襖絵として実際に活躍していたときの様子とではだいぶ趣が違うだろう。紙は古くなるし色だって落ちてるし、こればかりは仕方ないかもしれない。

    その他、名勝庭園やら不動明王やら見てまわったが、どれもこちらの心を打つようなものはなかった。ここはそういうものを見に来るより、広い敷地を散歩するにはいい場所だ。緑が多くて、人は少なくてぶらぶらするには打ってつけ。なのだが、敷地を歩くにも参拝料を取られるので普段使いとはいかないな。俺の地元の東大寺や二月堂のある奈良公園とはそこが違う。

    智積院の後は、清水寺に向かった。いやーしんどい!  清水寺って行くだけでも大変。けっこうな坂登らせられる。しかも参拝者めっちゃ多くて思うように歩けない。行ってみたら有名な舞台は工事中でシートかけてあって残念。にしても、あそこは朝早くとか人の少ない時間に行かないとゆっくりなんて見てられない。

    今日はよく歩いた。観光というよりウォーキングやったな。