借り物の自分

無い物ねだりの現実。僕は祈ることすら忘れて、日々を忘却のうちに過ごす。笑えば笑うほど、自分を失っていくのか。不貞腐れれば不貞腐れるほど、他人を失っていくのか。無口な自分の口を必死に動かして、回転の悪い脳を必死に回転させて、言葉を探し、コミュニケーションを取る。借り物の言葉で、借り物の態度で、必死に僕は誰のふりをしているのだろ。自分自身であれば誰からも求められず、自分でなくなるほど人々に溶け込んでいける。そうやって僕は僕を失っていくのか。