『映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS』

 『映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS』は、見ているものを飽きさせないという点では立派にできた映画だった。私は子どもたち二人(自分の子どもではない)と見たが、子どもたちは退屈することなく最後まで見通すことができた。

 その一番の理由は、随所に挿入される格闘シーン(動きのあるシーン)だろう。いや、むしろ格闘シーンこそこの映画の主な見どころといっていい。格闘シーンになるたびに同行した子どもたちは身を乗り出して映像に見入っていた。私は格闘シーンが終わるたびに、子どもたちの興味が映画から逸れないか観察していたが、子どもたちの興味が逸れるよりも早く次なる格闘、およびそれに類した動きのある展開がスクリーンに映し出されるのだった。

 映画タイトルにもあるように、この映画は友情を一応のテーマとはしているのだが、そのテーマについてはあまり深く掘り下げて扱われていたとは言えない。友情を物語の軸として扱うと、この映画の対象年齢である子どもたちの興味を維持できなくなる可能性があるということがその理由だろうか? 

 というのも、私は仕事の関係上、これ以外にも子供向けの映画を見た(クレヨンしんちゃん名探偵コナン)が、途中で眠くなったり実際に眠ってしまったりした。私はそれらのアニメのテレビでの通常放送を見ることもたまにあるが、寝たりしない。私に考えられる寝てしまう原因としては、それらのアニメが映画となると通常放送では取り扱わない大がかりな物語や現実離れした物語を扱ったり、あるいは難しすぎるテーマを盛り込もうとしたり、または感動や泣けるといった安直な感情操作をしようとしたり、して失敗しているということが挙げられる。結果、物語が説明的になりすぎたり、観客が展開についていけなかったり、あるいは観客を舐めすぎたりして、見ている者を退屈させてしまう。もちろん、壮大な物語も、難しいテーマも、感動も、それ自体が悪いものではなく、映画の出来次第によっては成功することもある。が、子どもを対象とした映画でそれらをうまく実現するということは存外難しいことではないだろうか。

 その点、今回の映画は度重なる格闘や時折はさまれるギャグ(館内には子どもたちの笑い声が起こった)によって、最後の最後まで子どもたちに興味を失わせない工夫がうまく機能していたと思う。

 もちろん、不満はある。格闘を軸にしたことで、ストーリー部分は最小限にまで切り詰められていた。友情というこの映画の主題はほとんど掘り下げられることなく、なんとなく主人公たちの言葉の中に友情や友達といった語が入っていただけ、という結果になっていた。友情というテーマを正面に持ってきたかったのなら、主人公たちの友情の深まりを感じられるストーリーをもう少し挿入すべきだっただろう。

 

  


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