身勝手な主張

    今日はとても疲れた。ううん、毎日とても疲れる。生きるって大変やなあ。なんでこんなに大変なんやろ。時々、生きているのがいやになる。

    ぼくはろくでもない人間だ。過去を振り返っても過ちばかり。そのうえ大切な人を傷つけた。それは取り返しがつかない。すべてぼくの弱さのせいだ。なんで自分なんかが生きているんだろう。なんで自分なんかが生まれてきたんだろう。

    ぼくは、今自分がしている仕事はとてもいい仕事だと思う。社会の役に立つ仕事だ。でも、自分にはそんな仕事をする資格なんてないと思う。自分が過去にしたことは今していることとは真反対のことだ。人を裏切り傷つけた。そんな自分がこの仕事をしているのは皮肉だ。でも、それと同時にこれからは自分は幸せでいないといけないとも思う。不幸であればまた間違ったことをしてしまうかもしれないから。ぼくは不幸だった。少なくともそう思い込んでいた。そして間違った。

    幸せならあんなことはしなかったんだろう。幸せとは、人の痛みに気づけることだ。相手のことを想像できることだ。ぼくは自分のことばかり考えていた。自分のことで手一杯だった。身勝手で自己中心的な人間だった。過ちを犯してからそのことに気づいた。遅すぎる。反省しても過去はなくならない。自分のしたことは消えない。

    それでも、人生は続く。生きていかなければならない。ならば幸せに生きていくしかない。この矛盾に時に引き裂かれそうになる。そんなしんどささえ傷つけられた側からすればいい気なもんだと思われて当然だ。人の未来を奪うようなことをしておいて、何言ってんだと。それでも前に進むしかない。これからの人生で過ちを犯さないために。