冬の空と自分の行方

 仕事を辞めたいと思っている、と社長に言ったのは今月の始めくらいだった。社長からは「この仕事を辞めて、何をするの?」「ちゃんと展望はあるの?」と聞かれ、もっといろんなことを経験してみたい、という漠然とした答えしか出せなかった。結局、もっとしっかりと案を練ってからにしなさい、ということで決着がついた。

 今の仕事を続けるかどうかについては、ずっと前から悩んでいる。それはきわめて個人的な自分の置かれている状況に関する問題や、適正、給料のこと、などが主な理由だった。自分自身としては、性格上この仕事に向いていないというのが、続けていく上で一番しんどいところである。自分に向いている仕事がこの社会にあるのかどうか疑わしいところだが。

 今月の初め、辞めると決意していた時には、ちょうど読んでいた無料メルマガなどに勇気づけられてネットビジネスで稼いでやるなどと考えていた。今となってはそれも霞のような計画である。

 とはいえ、この仕事をずっと続けていく意思もやはりない。自分の望む生活と今の生活があまりにかけ離れているから。自分の人生であるからには、こんなふうに生きていたいという希望があるのは当然であり、できることならそれを実現させるために努力したい。でなければ、死ぬ時になって「自分は生きてこなかった」などと思ってしまうことにもなりかねない。

 この先どうなるのかは分からない。ただ、どうなるにしても自分の選択に自分で責任を取れる生き方をしたいと思う。そういう選択ができるだけの自由は今の日本にはあるのだから。