ちりあくた

僕が今日食べた豚肉の、豚の命はどこにある。僕が食べた一片の肉塊を構成する一つ一つが命だったのだろうか。それとも、その肉塊がかつて成していたひとつのまとまりが命だったのか。それとも命は肉そのものではなく、ただ肉に宿っていただけなのか。もし命がただ肉に宿っているだけなのなら、肉の果てたあと命はどこに行くのだろう。

今日僕が食べた肉塊は僕の中で分解され、僕から出てまた分解され、何物かに取り込まれ、また分解され、そんな繰り返しの果てにまた別個の命を宿らせる生命たちの一部へとなっていく。そして、これはなにも豚に限ったことではなく、僕もまたそうなのである。

なんにせよ僕は今日豚肉を食べた。