正直、俺はこの映画を見て自分がどういう感想を抱いているのかよく分からなかった。
暗くて、内向的で、それなりに美しくて、悲しくて、重くて、緊迫感があって、どんよりして。
俺の心もどんよりと重くなった。
人間の醜さ。
それは俺自身の醜さでもある。
ヴォーレが、俺は人間みたいに弱くない、と言った時、
俺は自分の目を自分の弱さに向けざるをえなかった。
俺も弱さを抱えている。
映画の筋とは関係なく、否応なく自分の弱さのほうに気持ちが引きずられていく。
先週『ジョーカー』を見た時と同じように。
暗い映画は見ないほうがいいかもしれない。
今の俺の精神は暗い映画に耐えられそうにない。