三月十日

 一人の男の、真っ白な腹が膨れて、弾けた。おびただしい血と奇怪な悪魔的な小動物(あるいは怪物)が飛び出した。あるものは羽を持ち、あるものは蜘蛛のような何本もの足を持ち、またあるものは口から牙をのぞかせていた。

 男は草むらに倒れ、そこで息絶えた。怪物たちは素早く四方に散っていった。(2013.03.10)