十二月三日

 ずっと折りたたんだままにしていたベッドを部屋から出した。今までベッドのあった場所にはぽかんと余白ができた。それがなんだか僕の心にも余白を生んでくれたようだ。

 

 僕の状況は、理想を強要された人間が今度は周囲に理想を強要し始める、といった感じかもしれない。

 

 ある時期を超えたら人は悲劇的ではいられない。

 

 恐怖心の中にこそ、自分にとって重要な問題がある。不安や怖れを自分に隠さないこと。

(2011.12.03)