四月三日

 路地で僕は迷子だった。あの大きな爆発。目指していた塔は姿を消し、僕は目的地を見失った。がれき、傷を負った樹木、煤けた壁、べったりと塗りつけられた濃い青空。もう一度、もう一度、もう一度と虚しい祈りが口をつく。歩くよりほか僕には何もできなかった。僕は意味を失ったままで歩き続けた。(2013.04.05)