一月九日

 午前五時。ふと目が覚めて、つけっぱなしになっていたラジオから有名企業家の威勢のいい自己主張をおかしくない気もするけれど何かおかしいと感じながら聴いていた。

 午前六時。ロビーまで新聞を取りに行くのに外に出ると、あたりはまだ青暗い。青い世界の空気を吸うと自分に欠けているものが感覚的に感じられた。自分には生活が欠けていると思って、でも生活ってなんだろう、じゃあ今の自分の生活は生活ではないのだろうかなどと考えながらエレベーターホールでエレベーターの上がってくるのを待っていた。(2011.01.09)