京都その3

    清々しい朝だ。太陽はカッと照り、空は青く澄み切っている。冷たく澄んだ空気を吸うと俺の腐った体も少しはきれいになるというものだ。一月一日に相応しい日和だ。

    東本願寺は思っていたよりも空いていた。俺は学生時代、京都にある大学に通っていたが東本願寺に入るのは初めてである。こうした木造建築が残っていて、人々の憩いの場となっているのはいいことだ。御影堂と阿弥陀堂を拝んできた。御影も阿弥陀如来も参拝場所からは遠くてその姿はシルエットでしか見ることができなかった。だが、阿弥陀如来の立ち姿は美しかった。それに比べると御影はなんとなくいかつく、仏と人間の違いが表れているようだった。

    午後には西本願寺も訪ねた。東も西もずいぶんと立派な建物を拵えたものだ。広い堂内は天井も高くて気持ちがいい。だが、あの金ピカの装飾は俺の好みではなかった。良くいえば絢爛だが、悪くいえば安っぽい。