月夜

昨夜、仕事の帰り道、

俺は外套のポケットから精神を取り出して、

道路沿いの溝にひと思いに投げ捨てた。

溝の中で精神はぐったりしていた。

青白い月明かりがそいつを照らした。

かつてはピカピカに光っていたかもしれない

そいつの銀色の表面は、

月明かりの下でくすんで傷だらけだった。

再び歩き出した時、

俺はずいぶん気持がすっきりしていた。