健やかに病む

この間、とある寺の秘仏・秘宝特別開帳で念仏の鬼という絵を見たのだが、これは大津絵の鬼の念仏を描いたものだった。ここに描かれた鬼とはまさに私のことであって、本来の鬼の念仏はどうも偽善者のことを言い表すようなのだが、もちろん私は偽善者であるし、地獄に行くより他ない鬼であって、と同時に救いを求めて念仏にすがる鬼なのである。生きながらにして鬼である自分はもう念仏するしかないのである。