秋の雨

ああ雨や。布団のぬくぬくに包まれて、頰には冷たい風を感じて、外は雨音。部屋の中は静かで平和で、心は波立って。生きていれば失敗だってするさ。いやむしろ失敗ばかりの人生。それでもこたえる。そんな夜。大したことじゃないのに妙に心がざわついて。自分の人間の愚かさを思い知る。だから雨。自分の代わりに泣いてくれているような。雨が降る。天から雨が降る。今宵、多くの人の哀しみのために。