七月

    風が青い稲の上を走り去る。太陽が閑散としただだっ広い道路を照りつける。暑さがじわじわと身体を干上がらせる。俺はジンを一口啜る。透き通った欲望が揺れる。女は俺からジンの瓶を奪い、がぶりと飲む。狭い部屋で俺は裸になる。女は裸になる。俺たちは虚しく貪り合う。二つの裸体を稲が青く染め上げる。風が二つの裸体を走り抜ける。道路は相変わらず閑散としている。