この間、とある寺の秘仏・秘宝特別開帳で念仏の鬼という絵を見たのだが、これは大津絵の鬼の念仏を描いたものだった。ここに描かれた鬼とはまさに私のことであって、本来の鬼の念仏はどうも偽善者のことを言い表すようなのだが、もちろん私は偽善者であるし、地獄に行くより他ない鬼であって、と同時に救いを求めて念仏にすがる鬼なのである。生きながらにして鬼である自分はもう念仏するしかないのである。
呼吸は宇宙
突き詰めて考えれば人間が存在する理由は息をすることなのだ。呼吸。それ以外の生きる目的はすべて副次的なものに過ぎない。生きているということは息をしていることであり、死んでいるというのは息をしていないことである。すべての人は息をしていることによって肯定される。
7月19日
頭が痛い。肩が凝っている。怒り、憎しみ、恨み。醜い上にさらに醜さを塗り重ねて生きていくのか。
一日
今日また僕は自分の中の地獄を生きた。僕の心。それは全くもって地獄の景色に他ならない。僕は自分の一生を通じて地獄巡りをしている。
成しうること
ほとんど何も、それどころか何ひとつ、どんなささいな事でさえ自分自身にできることはない。