僕の中にすべてはあった。過去も未来も、人間が生まれる前の記憶も、人間が去って後の景色も。
本当の人間は狂ってなきゃおかしい。日常でまともなんていうのは本物じゃないんだから。
告白にはしばしば甘えがのぞいている。
興福寺南円堂、北円堂の特別公開、奈良国立博物館の当麻寺展と見て歩く。気持的に美を鑑賞するという気になれず申し訳ないような救いを求めるような気持で見た。拓さんの観光客を見ていると自分がいっそうみじめに思えてたまらなかった。どうしてこんな自分になってしまったんだろう。どうして生まれてきたのだろう。どうしてどうしてどうしてという思いばかり湧いた。
(2013.05.15)